こんにちは!
清晏(せいあん)です。
皆さんは、なぜか同じようなミスを繰り返してしまうことはありませんか?
特に、スポーツや技術系のものに関しては、1回の指摘ですぐに修正することが難しい場合があります。
私自身、反復練習がいつの間にか、「これって、反復ミスでは?」となってしまうことがあります。
原因と改善方法が分かっているミスは修正しやすいですが、それらが分からない場合は、そもそも何をどう直したらいいか困ってしまいます。
そこで今回は、そうした盲点に気づく方法を具体例を挙げながらお伝えしていきたいと思います。
①目立つミスそのものに原因があるとは限らない。
例えば、この「皿」という楷書(崩さず、きちっと書く書体のことです。)を見て下さい。
↓手本
↓修正が必要な字
上がお手本で、下が修正が必要な字です。
2つを比較すると、中の2本線が字の違いを生み出していることが分かると思います。
手本と比較した時、一般的には「この2本の縦線がくっつきそうになっているから、間隔を開ければいいんだな。」と考えると思います。
これで、修正できる場合もありますが、いざやってみてもイマイチしっくりこない時があります。
例えば、こちらは中の2本線を直したものですが、何となくお手本とは違う印象を抱くと思います。
「中の2本の縦画は修正したのに、お手本と同じようにならないのはなぜ?」と感じる方もいるでしょう。
このような場合は、中の2本の縦画以外のところに根本原因があると考えた方がいいです。
②1画目はその文字の「前提」を作る
文字は最初が肝心です。
なぜかというと、1画目でその文字の大きさ、その後の点画の流れ、線質の雰囲気などが決まってしまうからです。
1画目があまりうまくいかないと、1画目の欠点をカバーするために2画目がバランスを取ろうとしてしまい、それに続いて3画目、4画目もカバーの為の点画になってしまいます。
例えるなら、人体の骨格の歪みに似ているかもしれませんね。
「骨盤が後ろに倒れているから、それに影響されて猫背になる」みたいな感じです。
1画目は「この字はこの条件のもと書いていってくださいね。」という、2画目以降に向けたメッセージ的な役割を果たします。
なので、お手本を見るときも1画目の位置はしっかり確認しておきましょう。
③ミスと思われる点画の1つ前の画を確認する
先程の「皿」の例で行くと、3,4画目がミスをしているように思われるので、2画目に注目してみます。
今度は、手本と中の2本線を修正した画像を貼ってみますね。
↓手本
↓中の2本線を修正した字
さて、2画目の違いを見抜けるでしょうか。
間違い探しの気分で少し考えてみて下さい。
…(-.-;)ウーン(-。-;)ェー(-.‐)ン?
正解は、「3つの間隔の取り方の違い」です。
これだと、まだざっくりしているので、どうしてここが問題と考えたのか、そうした思考回路に至るかを説明していきますね。
先程、3画目と4画目の間隔が狭くなってしまうということで、その部分だけ直しましたね。
その時、イマイチしっくりこなかった理由は3画目と4画目の間隔が修正された代わりに、1画目と3画目、2画目と4画目の余白が潰されてしまったからです。
3画目と4画目を直す前はそれ以外の部分は特に違和感がありませんでした。
↑よく見ると、1画目と3画目、2画目と4画目はそれぞれ平行になるように書かれています。
↑つまり、3画目と4画目を直したせいで、1画目と3画目、2画目と4画目がそれぞれ平行でなくなってしまった(=余白が潰された)ことが問題なのです。
平行にするためには3画目と4画目に合わせて、1画目と2画目の縦画部分を立てるしかありません。
ということで、今回直すべき個所は1画目と2画目になります。
↓こんな感じです。
どうでしょうか?
字がキュッと、締まりすぎていた感じが緩和されたと思います。
④逆から考えることがポイント
思わしくない結果が出たとき、「なんでこうなってしまったのだろう。」と考える人は多いと思います。
そこから上手く改善できるかどうかは、思考の掘り下げ方にかかっています。
幸い、字に関しては「点画」が証拠として見える形で残ってくれているので、客観的に見やすく、修正しやすいです。
「なぜ?」と繰り返し問いかけ、その都度感覚ではなく、言葉で説明できるくらい字の状態を把握していると、最後は本当に修正すべき点にたどり着きます。
⑤まとめ
以上、同じミスを繰り返している状態から脱出する方法をお伝えさせていただきました。
あまりに上手く書けない状態が続くと、まるで見えない呪いにかけられているようでモヤモヤしてしまうこともあると思います。
そんな時は、やみくもに手を動かすのではなく、いったん立ち止まってお手本と自分の字を分析すると良いと思います。
それでも行き詰った時は、問題を解決するための情報集めとしてインプットに切り替えたり、あるいは一旦その字の練習を保留して他の字にかえたりして、お悩み地獄に陥らないようにしていきましょう。
また、自分1人で解決できない時は、講師の方に頼るのも1つの手です。
試行錯誤しながら、自分のペースで取り組んでいきましょう!
それでは、今日はこの辺で(^^)