こんにちは!
清晏(せいあん)です。
字を綺麗に書くことについて、巷では
「綺麗な字を書く人の方が印象がいい」
「字は読めればいいから、美しさにこだわる必要はない」
「今はパソコンで打つ時代だから字を綺麗に書かなくても問題ない」
など、様々な意見が見受けられます。
そこで、今回は20年以上字を嗜んできた私の経験や、練習を重ねて字を綺麗に書けるようになった人から伺ったことを基に、
字を綺麗に書けるようになるまでの過程で得られた内面の変化をお伝えしていきたいと思います。
①【うつを改善】白黒思考が和らぎ、ストレスが軽減される
白黒思考とは、グレーな状態(曖昧な状態)に耐えられず、物事を白か黒か、良いか悪いかなどと極端にとらえてしまう考え方のことを言います。
「字の練習と白黒思考が何の関係があるの?」
「物事をはっきりさせたい時に、優柔不断になってしまうのでは?」
と、思う方もいるかもしれないですね。
こちらの疑問について、お答えする前に1つご紹介したい言葉があります。
それは、「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉です。
「ネガティブ・ケイパビリティ」とは詩人のジョン・キーツが記述した言葉で「すぐには答えの出ない、どうにも対処しようのない未解決で曖昧な物事に耐える能力」のことを言うそうです。
字を書き綴るということは、ある意味不確実性の連続です。
当たり前ではありますが、一字ごとに「上手くかけた」「上手く書けなかった」と一喜一憂していては先に進めません。
また、綺麗な字を書くといっても、綺麗な字は1つではありません。
今、書いた字の流れが、次の字に繋がっていきます。
そう考えると、ある文脈の中で綺麗に書けた字が、別の文脈でも見映えがするかといえばそうではありませんし、
一つ一つの字が綺麗でも、字に連続性を感じなければ全体として美しさに欠けます。
一回一回、正解な字(…というより適切な字)が少しずつ変わるのがこのペン字や書道の世界なのです。
書き終わるまでは、自分のイメージ通り書くことができているか確かめることはできませんが、
その都度、その流れの中で最適な字を書こうという意識を持って進めていけば、書き終えた時に1つの答えが出ます。
「部分を捉えながら、全体を感じる」ということを体感できるところはペン字の魅力の1つだと言えますね。
②【粘り強い】忍耐力を高める
字の練習は手本を分析したり、自分の字と向き合ったりして、ひたすら試行錯誤する職人的な要素があります。
側から見ると、非常に単調な作業なので、人によっては退屈に感じるかもしれませんね。
ただ、字を綺麗に書けるようになるまでには、細かい部分にも意識を行き届かせ、何度も修正を加える必要があります。
こうした試行錯誤を繰り返していくと、小さな変化に価値を見出して成長に繋げていくことができるので、忍耐力が養われます。
③【癒される】言葉と書く行為で心が落ち着く
綺麗な字を書こうと思って、紙にペンを走らせている時は集中していると思います。
上手く書けないうちは、落ち込んだり、悩んだりすることもたくさんあると思いますが、毎日少しずつでも練習していくと必ず良い変化が見られます。
また、単調な練習に飽きたときは、自分の気持ちをポジティブにしてくれる言葉を選んで練習すると、楽しく行うことができます。
辛い時期を乗り越えて、上手く書けるようになってくると、書きながら(いい流れができてる^ ^)と思えるようになりますし、書き終えた後は、ほっと落ち着くような満足感が得られますよ。
④【洗練される】素朴さを味わえるようになる
人が満足感を覚えるシチュエーションは様々だと思いますが、ペン字の練習では「素朴さ」を味わえるようになります。
豪華絢爛、といった感じではありませんが「奥ゆかしく、上品で美しい」といった感覚を得られます。
素朴の良さに気付くことは、自分の感性を広げることにも繋がります。
物事の華やかな面に憧れを持つ人もいるかと思いますが、それに加えて素朴さも味わえる感性を持てたら、人生が豊かになるのではないでしょうか(^^)
⑤字に対する劣等感やプレッシャーから解放される
冒頭でも少し触れましたが、字に対する価値観は二極化しているように感じます。
1つは「字が上手く書けないのは落ち込む」というもの。
もう1つは「字は上手くなくとも、読めれば良い。」というものです。
後者の方は、字に対してはある種の「割り切り」ができているので、それはそれで良いのかもしれません。
前者の方の場合は、字を綺麗に書けるようになることで人生が変わったと感じる人も出てくるようです。
現代はパソコンやメールで大体のことを済ますことが可能ですが、意外にも手書きの文字を披露する場は多くあります。
ちょっとした伝言やメモはパソコンで打つより、付箋や紙にさらっと書いた方が早いですよね。
そういった場面で、美しい文字は活躍します。
自分の字にコンプレックを抱えている方は、何か手書きで文字を書くことを頼まれた時、自信がなくて、他の人に頼んでしまったり、
書こうとするものの緊張してペンをゆっくり慎重に動かしたりする傾向があるようです。
書き終えた後は、(もう少し上手く書けたらなぁ…。)と呟く方もいたり…。
こういう方は、真面目な故にこうした感情に苛まれるのだと思います。
字を綺麗に書けるようになれば、いつでも字を書くことを引き受けることができますし、周りの人からも感謝されます。
この段階まで来ると字に対する自信も付いているので、今まで字を書くたびに感じていたプレッシャーから解放されます。
たかが字、されど字、です。
字の為に、少し頑張ってみようと自分を奮い立たせることができれば、そのコンプレックスは解消できますよ(^-^)
⑥今回の記事のまとめ
以上、5つの内面の変化を書かせていただきました。
例え小さなことでも、何かできるようになることは喜びですし、自信にも繋がります。
そのきっかけの1つとして、ペン字がお役に立てれば、私は嬉しく思います。
それでは、今回はこの辺で^^