【書くことの大切さ】手書き文字が残り続けると思う理由(綺麗な字を書く先に見えるもの)

硬筆(ボールペン・水性ペン・鉛筆、他)

こんにちは!

清晏(せいあん)です。

今日は、「手書き文字が残り続けると思う理由(綺麗な字を書く先に見えるもの)」というテーマで、私の経験をもとに、お話していきたいと思います。

①字を美しく書くことって、どのくらい魅力的なのだろうか。

最近、友人と「芸術の中で何が得意になれたら嬉しい?」という話をしていました。

その時「芸術」と聞いて、パッと思いついたのが、

・絵画

・ピアノ

・書道

だったので、この3つの中ならどれを極めたいか、その友人に聞いてみました。

友人は、

「ピアノかなぁ~。だって、ピアノ弾けたらかっこいいじゃん。」

と答えました。

私は、

「絵が上手いのには憧れないの?」

と聞いたら、

「絵は上手いに越したことないけど、あまり生活になじみがないっていうか、重要度は低いかも。」

「でも、字が上手いよりは、絵が上手い方がいいな。」

と、答えました。

私は、

「字は、日常過ぎて当たり前だから?」

と、聞くと、

「そうだね。誰でも書いているし、書道は上手い下手の基準も分からない。それに、字は読めればいいと思ってるから。」

と、言っていました。

私は、これを聞いて、

(…多分、書道や字に対してこのような考えを持っている人は少なくないだろうな。)

と、内心思いました。

正直、私も書道は他の芸術に比べ、あまり認められていない気がしないでもないのです。

芸術界で日本最高峰の国立大学である東京藝術大学にも書道科はありません。

画家やピアニスト、バイオリニストと聞くと華やかな芸術というイメージが私にはあるのですが、(もちろん、裏での努力は凄まじいことと思います。)

書道家、綺麗な字を書く人、というとよく言えば素朴、悪く言うと地味な印象があるのかなぁと思うのです。

②書道や手書き文字が大切にされ続けている理由

他の芸術と比べると、華やかさには欠けるものの、文字の使用は人間にとって最高峰の文化だと思いますし、

書道の歴史も非常に長いです。

「字なんて、読めればいいさ。」

「字を丁寧に書くことなんて重要でない。」

と言われることがあるものの、

なんだかんだ言って残り続けてはいくのだろうと思います。

一見、綺麗な字を書くことはあまり役に立たないのかもしれないけれど、歴史的に字を美しく書く技法が伝わっていたり、

書道という文化が今も根強く残り続けているのを見る限り、

理屈抜きで、【人に必要とされる価値】が眠っているのかもしれないと思うのです。

どんなに高尚に見える文化も、人間臭さがふんだんに入っていて、

そういうものこそが、人の共感を呼び続け、歴史的に残っていくのだと思います。

③【言霊】字と字の出会いが、人生を創造する

例えば、

「あ」は一見、なんの変哲もない字です。

「い」だけ見ても、特に何も思わないと思います。

でも、

「あい」

って聞くと、

「愛」「哀」「逢い」

のように、人の想いが込められて、言葉の深みを感じ取れるようになります。

「あ」は「あ」でしかなく、

「い」は「い」でしかありません。

一つ一つの文字はその字として存在しているだけだったのに、

その字たちがほかの字の出会うことによって、新たな言葉や意味をもつ世界を創造します。

また、ひらがなで表記された文字は、「あい」のように、複数の漢字に変換できます。

一つの言葉から何を連想するのかは、人によって違うからこそ、思いや価値観が人の数だけ存在し、多様性は広がっていくのだと思います。

そう考えると、何気なく発している言葉も、実は奇跡的な組み合わせで成り立っているのかもしれないと感じるのです。

人は46音と濁音、半濁音で自分の気持ちを確かめ、言葉に表し、自分を奮い立たせたり、強い思いを誰かに届けたりしています。

文字はあまりに何気なく使い過ぎて、当たり前のように感じているかもしれないけれど、

起きてから寝るまで、呼吸と同じくらい、文字は生活の大半を占めています。

言葉の組み合わせ次第で、人の心を揺り動かし、日常を心に残る1日に変えることだってできるのです。

字は人類にとって最高のプレゼントであり、

そして、それをどう使うかはあなた次第です。

「自らの手で字を書き、己の心を確かめ、向き合う。

言葉や心を磨き、それにふさわしい自分を作っていく。」

…この営み自体が、とても人間らしいと思うのです。

こんな奥深さが手書き文字や書道の文化が現代でも残り続けている1つの理由だと、私は考えています。

④綺麗な字を書く先に見えるもの

字を綺麗に書くことだけが目的ならば、字の練習をすることに魅力を感じない人がいることもうなずけます。

それは、外見を磨き続ける努力よりも、本質的ではないかもしれないからです。

しかし、「綺麗な字」を求める過程では、外見を磨く以上に手に入るものがあると感じています。

私は、先ほど言ったように、

「自らの手で字を書き、己の心を確かめ、向き合う。

言葉や心を磨き、それにふさわしい自分を作っていく。」

ことが、手書き文字や書道の魅力だと思っています。

私は自分と向き合うとき、自然と心が落ち着き、それに伴って書く字も丁寧になっていきます。

誰かに自分の思いを伝えたい時は、今の自分ができる最大限のことを、言葉選びや字の美しさで表現します。

自分の内面に向き合いたいと思うほど、自分の温かい気持ちを誰かに届けたいと思うほど、

字にも磨きをかけたくなってしまいます。

そして、自分の納得いくような字と言葉で、大切な相手に思いを伝えられた時、

そのお相手からは、

 

「いつ見ても、感動するよ。」

 

「心が動かされたよ。」

 

「宝物にするね。」

 

「引き出しの奥に大切にしまっているよ。」

 

という、温かい言葉をいただけるのです。

私は、この心のやり取りが好きだから、手書き文字が好きなのだと感じています。

⑤今回の記事のまとめ

字を書くという行為は、日常にありふれて何の感動も与えないように思えるかもしれませんが、

自分の願いや思いが字に込められると、相手の心の奥にスッと届くようです。

現代は、AI社会が進む中で、アナログなことはどんどん排除されてしまうのかもしれません。

一方で、人間の心を豊かにするものが何なのかを、浮き彫りにしてくれる時代がやってくるようにも思うのです。

そんな時代では、きっとこの手書き文字も人々の心に潤いを与えてくれると、私は信じております。

 

それでは、今回はこの辺で。

 

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