字の美しさと個性は共存できる?「好き」と感じてもらう字を書くためには?

こんにちは!

清晏(せいあん)です。

手書き文字というのは、個々の人間によって生み出されるものです。

「自分の字がコンプレックスで、見せるのが恥ずかしい。」と思っている方がいらっしゃいますが、それは自分の一部をさらけ出した気分になるからではないでしょうか?

人は何かしら理想を抱いていると思いますが、それは字にも投影されます。

そこで今回は、”字の美しさと個性は共存できる?「好き」と感じてもらう字を書くためには?”というテーマでお話していきたいと思います。

①「字は人柄を表す」って本当?

特に書道界では「書は心画なり」という表現がされていて、書は人格を表すと言われています。

こういう言われ方をすると、「字が綺麗な人は人格者で、字が汚い人は性格に難ありってこと?!」なんて、悩んでしまいますよね(^-^;

ただ、私の経験からすると字形と人格の相関性はそれほど感じないかな…というのが正直なところです。

確かに、「右上がりが強い字を書く人は意志が強い」とか「曲線的な字を書く人は物腰が柔らかい」など、筆跡を統計学的に見たものもあって、言われてみればそうかもしれないと思うものもあります。

しかし、字がその人の性格の一部や書いた時の精神状態までは映し出せても、「人格」まで映し出すのはなかなか厳しいものがあります。

それよりも、私が注目しているのは「どのくらい相手目線で思いやりをもって書いているか。」ということです。

決して、高い水準は求めていないですが、少しだけでも配慮がみられると温かい気持ちになります。

例えば、小さな子供が「かたたたきけん(肩たたき券)」と書いた紙を渡してくれたとしましょう。

その字を見て「下手だな。読みにくいわ!」と思う人は、そんなにいないのではないでしょうか?

むしろ、「その小さな手で、一生懸命書いてくれたんだな。」と思う方が多いと思います。

年賀状でも、例え一般的に上手いと言われるような字でなくても、手書きで丁寧に書かれていることが伝われば、「こういう字もいいな。」と思いながら嬉しく感じます。

以前、私がいただいた年賀状で、住所は細ペンで、名前は太いペンで書いて送ってくれた方がいました。

大抵、書きなれている人は筆ペン又は小筆1本で強弱をつけて書き分けるのですが、

その方は、筆ペンに慣れておらず、2本のペンを使って書き分けていました。

私は、自分なりの方法で体裁を整えようと努力している感じに好感を持ちました。

結局のところ、温かみのある感情を呼び起こさせる字が、良い字なのかなと個人的には思いますね。

②個性の出し方とは

「個性」という言葉は良く使われていますが、どういった意味合いを持たせているかは人によって違いがあるように思います。

「個性的な人」と言われて、喜ぶ人と快く思わない人がいることからも分かるように、長所や短所という括りで見ることは難しいように感じます。

因みに、私は「個性」は先人の知恵や科学の力を借りながら、自分の中の「好き」を洗練させていくことで現れるものだと考えています。

個性を出すために望まないものを付け加えていくのではなく、むしろ不要なものをそぎ落とすことで唯一無二のものにしていく感じですね。

それは、字に関しても同じことが言えると思います。

書道を習っている方は目にしたことがあるかもしれませんが、楷書の作品に「九成宮醴泉銘」や「孔子廟堂碑」「雁塔聖教序」というものがあります。

いずれも、目立った癖がなく綺麗な文字に変わりありませんが、異なる外見をしており、同一には見えません。

また、他の有名な作品と並べて見ても際立って見えます。

このように、何か凝った技法を使おうとか、上手く見せるためのテクニックに走らなくても十分に個性的で魅力のある字を書くことはできます。

③字における美的感覚の磨き方

美的感覚は生まれ育った文化の影響を大きく受けており、個人的な好みに左右されることも多いのですが、一定のレベルで好かれる字は存在しています。

個人的には「骨格が整っている 且つ 自分の中で惹かれるものがある字」をいくつも見ていくことが美的感覚を磨くことにつながると考えています。

例えば、上記で述べた三つの作品と対照的な作品として「顔氏家廟碑」があるのですが(見たことがない人は是非調べてみて下さい。)、かなり独特な書きぶりですよね。

それでも、美しいというか、一度見たら忘れない、何か惹かれるものを感じさせます。

そう感じるのは、独特さの中にも「骨格の美しさ」がしっかりと見て取れる字だからです。

その上で、独自性も発揮しています。

独自性というのも、鼻に付くようなものではなく、その技法を使うことによって、字の柔らかさやおおらかさを表現することができています。

2で述べた個性の概念と相反するように感じるかもしれませんが、決定的な違いとしては「ただ、目立つ字を書くことに意識がいっているのか、それとも字の持つポテンシャルを引き出させようと思ってのことなのか。」ということだと思います。

こういった部分まで意識して練習することは難しいと思いますが、余裕があるときはこの視点を取り入れて練習してみるのも良いですね。

④印刷活字に欠けているもの

印刷活字はとてもきれいな字形をしています。

人によっては「もうそれで十分じゃないか。」と思う方もいると思います。

でも、それは印刷活字以上に綺麗な字や心打たれる字を見たことがないということでもあります。

綺麗な字を書けると「印刷の字みたいに綺麗」と言われることがありますが、次第に「印刷の字より上手い…と、いうかこんな字見たことない!」と言われるようになります。

アナログがデジタルを超えるとき、そこに大きな喜びが生まれるのです。

印刷活字に有機的な要素を込めることは現時点では難しいのではないでしょうか。

AIが発達して便利な世の中になるからこそ、アナログは希少なものとなり、価値が高まるのです。

⑤まとめ

さて、以上4つの項目について話させていただきました。

今回の記事は、実用的なペン字だけでなく、芸術性を求める場合にも応用できます。

自分の「好き」を突き詰めることを楽しんでいきましょう!

 

それでは^^

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