こんにちは!
清晏(せいあん)です。
さて、皆さんはどのような漢字が書きにくいと感じるでしょうか?
…画数が多い字?
勿論、それもあると思います。
※画数の多い字に関してはこちらをどうぞ
しかしながら、意外にも「画数の少ない字」がバランスを取りにくいのです。
ということで、今回は「画数の少ない字」に焦点をあてて、書き方のコツをお話しできたらと思います。
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①何故、画数が少ないと書きにくいのか?
限られた点画でバランスを取らなければならないから
一見、画数が少なければ少ないほど、書くのは簡単そうに見えますね。
しかし、実際は画数が少ないからこそ、1つ1つの点画(漢字を構成している点と画のこと。)を大切に書かなければならないのです。
例えば、それなりの画数がある漢字は、その中の1画だけ上手く書けなかったとしても、
他の点画でカバーすれば、体裁を整えることが可能です。
一方で、画数が少ない漢字は1つ1つの点画が見せ場になります。
大学入試で5科目なら、1科目失敗しても他で挽回すれば良いですが、
3科目入試だと、全ての科目で高得点を取らないといけない…というのと似ている気がします。
文章中で字の大きさのバランスを取らなければならないから
例えば、以下の漢文をご覧ください。
この中では「千」「江」「一」「日」が画数が少ないので小ぶり書きます。
逆に「陵」「還」という字は画数が多いので、必然的に字が大きくなります。
「一日還」の部分を見ると一目瞭然ですが、文字の大きさを統一するよりも、
画数の少ない字は小さく、画数の多い字は大きく書いた方がすっきりとした印象を与えられます。
この漢文のように画数に差がある字をまとめるのはなかなか大変で、
特に少ない画数は文章の中で調和させるのが難しくなります。
②画数が少ない字の中にも書きにくいものと書きやすいものがある
画数が少なく、書きにくいものとしては、漢数字があります。
特に、「一」「二」「三」は横線だけで構成されているので、一本一本の線に変化を付けて書く必要があります。
「六」「七」も余白の取り方に注意が必要な漢字です。
「十」は横画と縦画それぞれに軸がなければなりません。
他に、「心」など、点画から点画までが遠かったり、曲線が主役の字も書きにくいです。
逆に画数が少なくて、書きやすい字は「大」「木」など、シンメトリー且つ右払いと左払いで釣り合いが取れる字になります。
③バランスを取るコツ
一本の線の中に変化を付ける
例えば、「一」という字ですが、ただ真横に線を引いているのではありません。
遠くからパッと見た感じでは、緩やかな右肩上がりの直線に見えると思いますが、
近くで見てみると、わずかながらに線にうねりがあります。
起筆(ペンの入り)をしっかり打ち込み、最初の5分の4くらいまでは緩やかに右上がりですが、
5分の4に到達したポイントで少し右に下がっています。
前半で右に上がった分、最後に下げることで字のバランスをとったり、
線の変化やメリハリを出したりしています。
「六」と「七」に関しても「一」と同じ動きを意識して書いていきます。
「十」も上と同様に「一」の動きを意識して書きます。
縦画に関してはほんの少しですが右側に膨らむように書きます。(行書や草書はこの限りではありません。)しかし、露骨にやるのはNGです。
縦画は字の軸になる部分なのでしっかりと芯を貫きましょう。
④線質にこだわる
さて、ここに2つの「美」という字があります。
これらにはどんな違いがあるでしょうか?
字形に関しては、そこまで大きな違いはありませんが、
よく見ると左側の方が線が軽くて細く、右側の方が太くて重いのが分かるかと思います。
漢字1つだけを見比べるだけだと分かりにくいかもしれませんが、
これが文章となった時、線質の違いが見た目に与える影響はかなり大きいです。
上品な印象を与えたい場合は左側、硬派な印象を与えたい場合は右側の方が良いですね。
実は、この2つの字は同じペンで書いているのですが、この写真を見て分かるように、
一本のペンでも線の強弱は付けられるのです。
因みに、ボールペンはそれほど強く書かなくても、インクが出てくれるので
紙がボコボコになるくらい力を入れて書く必要はありません。
実際、力を入れて書くと線がガタガタになりやすいです。
⑤まとめ
以上、画数が少ない字の書き方をお伝えさせていただきました。
いかがだったでしょうか?
普段の自分の字と良く見比べて、気付いたことがあれば是非練習に取り入れていってくださいね(^^)
まだまだこれは、数あるペン字技術の1つに過ぎないですが、他の記事でも少しずつコツをお伝えできればと思います。
それでは、今回はこの辺で!