こんにちは!
清晏(せいあん)です。
字が綺麗な人を羨ましいと感じる要因の一つとして「字が読みやすいから」というものがあると思います。
確かに、読みやすい字だと読む側もスムーズに目を通すことができるのでありがたいですね。
では、「自分の字は読みにくいなぁ…」と感じている人は、どこに原因があるのでしょうか?
実は、読みにくい字というのは、もれなく「クセが強い字」なのです。
ということで、今回は「つなげ字・くせ字・流し書きの癖」を改善する方法を
お伝えしていきたいと思います。
【字の練習】くせ字は「ペンの持ち方」に原因がある
ペンの持ち方を観察していると、人によって違うことが多々あります。
今の自分のペンの持ち方で、
上手く字を書けなかったり、手が疲れたり、肩や背中が凝ったりする
といった不具合が特にないのであれば、そのままでOKですが、
もし、1つでも不具合を感じているのであれば、ペンの持ち方から見直すと
根本的な解決に繋がります。
ペンや鉛筆の正しい持ち方としては、人差し指と親指で挟んで、
それを中指で支えるというイメージです。
写真のように、親指よりも人差し指の方がペン先に近くなっています。
また、この人差し指の動きがペン先の動きをコントロールする役割を果たしていきます。
特に、縦画を書くときは、人差し指をまっすぐ手前に引けるかどうかで、
まっすぐな線を引けるかが決まります。
ペンの持ち方を修正するのに加え、ペンを持つ前に少し手や手首の体操をして
可動域を広げておくといいでしょう。
【まっすぐな線を引く】縦線・横線の練習をしてみる
縦画・横画は漢字で頻繁に出てくるので、縦線・横線がまっすぐに書けるようになると
字が引き締まって見えます。
縦線
縦線ですが、先程少し話したように、人差し指をまっすぐ手前に引くことがポイントです。
また、縦線は体の歪みや姿勢がダイレクトに反映されるので、姿勢を整えていきます。
まず、書き込もうとしている紙やマスを体の中心に置き、
そのマスの中央に縦線を書いていきます。
線を書くときはみぞおちに向かって線を引いていきます。
そうすることで真っ直ぐな線を書くことができます。
また、何も考えずにひたすらペン先をスライドさせるだけだと、
線がブレやすくなります。
では、どうすればいいかというと、書くときのリズムと呼吸を意識していきます。
ペンを「トン」と紙に置いた後、
息を吐きながら「スゥー」とペン先をスライドさせていきます。
最後は「トン」と止めてから、ペンを紙から放します。
この過程で特に大切なのは呼吸で、
運筆(うんぴつ:ペン先の動きのこと)の時に息を吸ったり、止めたりすると
その時のかすかな振動が腕に伝わり、それが字の線にも表れてしまいます。
息を吐きながら行うと、体が緩みリラックスするので、
腕や手首にも余計な力を入れることなく書くことができるようになります。
横線
横線も呼吸に関しては縦線と同じ意識で書いていきます。
ペン先だけを意識するのではなく、
ペンを挟んでいる人差し指と中指が一体となって横にスライドしていくイメージで
書くと、まっすぐ横に引くことができます。
縦画と縦線・横画と横線の違い
縦画・横画は書き始めと書き終わりにメリハリが必要です。
書道では、書き始めのことを起筆(きひつ)、書き終わりのことを終筆(しゅうひつ)
と呼びますが、
線を比較して見ていただくと分かると思うのですが、
初めと終わりがキリッとしていると、線が引き締まって見えます。
一見ちょっとした違いにしか見えないかもしれませんが、
こうした細かい部分にまで意識を配ることによって、字の綺麗度がアップします。
【くせ字】つい横線が上がってしまう!右上がり癖の改善方法
まずは、姿勢を正して書きます。
また、紙やノートも体の正面にまっすぐ置きます。
紙とノートが右上がりに傾いていると、字も右に傾くので注意しましょう。
人によっては、これだけで改善されます。
姿勢や紙とノートの位置を正しても改善されない場合は、
「いっそのこと思い切り右に下げて書く」ということを
10回くらい連続でやってみましょう。
その時は、「私の手首は右上だけでなく、右下にも進めるのよ!」
くらいの意識で思い切りやってみて下さい。
その後、「真横に線を引く」という意識でもう一度書いてみましょう。
以前よりは、右上がりではなくなっているはずです。
【くせ字】なぜか横線が下がってしまう原因…右下がりの癖の改善方法
先程とは逆のパターンですね。
こちらもまずは、姿勢や紙とノートの位置を確認してみて下さい。
その後はペンの持ち方を見直しましょう。
右上がりが強い人のペンの持ち方にはそこまで統一性は見られないのですが、
右下がりが強い人は
「手首を丸め込むようにペンを握っている」という方が多く見受けられます。
また、丸字を書いている方も同様のペンの持ち方をされている方が多い印象です。
↑手首を丸め込んだ持ち方になっています。
↓こちらの持ち方が好ましいです。
右下がりが強い方の場合は、右上がりが強い方とは逆に、
「思い切り右上がりで横線を書いてみる。」という動きを何回かやってみて下さい。
右上がりの動きに違和感がなくなったところで、
次は「真横に線を引く」ことを意識して、もう一度書いてみましょう。
そうすると、右下がりの癖が緩和されていることと思います。
【くせ字】縦線がブレる・斜めに歪んでしまう原因
書痙(しょけい)と言って、緊張感から書けないパターンもありますが、
そうでなく、縦線でも横線でも線がブレてしまうのは書きなれていないことが原因です。
「いやいや、なんだかんだいって仕事でも毎日ペンを使って書いてるんだから、
書きなれてないってことはないよ!」
という方もいるかもしれませんが、
ペンを無意識に使って書いているのと、意識的に書いているのでは
効果が全く変わってきます。
自分がどこを意識して、どのように力を付けていきたいのかを考えながら
トレーニングを行うという点では、筋トレと同じです。
また、実際にペン字は指や手首を動かす筋肉は必要で、
線をコントロールできていないのは、
まっすぐな線を引くのに必要な筋肉が不足していることも考えられます。
また、字を書きすぎて疲れたり、腱鞘炎のような症状が出るのは
筋肉を過剰に動かしている可能性があります。
この筋肉は筋トレでつけるというよりは、正しい姿勢とペンの持ち方に基づいて、
まっすぐに線を引く練習を通して付けていくと良いと思います。
【メリハリ】つなげ字・走り書きの癖がある人は「止め」を意識する
字を書くときにはリズムが大切です。
つなげ字や流し書きの癖がある人は、句切れがなくすべてがつながっています。
例えば、音読でいうと、句読点を意識せずに早口で原稿を読み上げていると、
何を言っているのか分かりにくいです。
それと同じで、字も全て一定のリズムで素早く書いてしまうと
読みにくくなってしまうんですね。
ハネる前、折れるときなど、転折(てんせつ:点画の方向が変わること)の
タイミングは必ず書くスピードに変化が生まれます。
止まったり、速くまっすぐ進んだり、ゆっくり曲がったり…
こうした変化をつけることが字にメリハリを生みます。
今回の記事のまとめ
以上、つなげ字・くせ字・流し書きの癖の原因と改善方法について
お伝えしていきました。
何事も行き詰った時は基本に立ち返ると、
見落としていた部分に気づいて再スタートを切ることができると思います。
これは私の個人的な感想ですが、字を修正していくのは、
整体で骨格を矯正するのと似た爽快感を感じます。
「自分の字をもっとスッキリかっこよくしたいな。」と感じた方は、
この機会に字の練習に取り組んでみるといいかもしれませんね。
それでは、今日はこの辺で(^^)/
p.s 今回この記事で使用したボールペンと筆ペンはこちらです。